安倍首相が狙う(上) “全世代型社会保障”とは   消費税増税とセット

画像



安倍晋三首相は、今年を「幼児教育の無償化」実現など、社会保障制度を「全世代型」に「改革」していく年にしたいとしています。「全世代型社会保障」とは何か。狙いと実態を全日本民医連の林泰則事務局次長に聞きました。      ( 聞き手 北野ひろみ)

首相のいう「全世代型社会保障」への転換とは、給付は高齢者世代が中心で負担は現役世代が中心になっているという現状の社会保障制度の構造を「すべての世代が安心できる社会保障制度へと転換する」という話ですが、実際はこれまで次の3点を軸に進めてきた ″改革″を、さらに加速させるものです。

三位一 体の形で

一つは、社会保障制度の縮小・解体です。二つ目が、社会保障の営利・市場化。三つ目が、社会保障の削減でこぼれた人たちを住民の助け合いに任せる「『我が事・丸ごと』地域共生社会」の仕組みの具体化です。「解体」「営利化」「地域共生」を三位一体の形で進めていくものです。

「全世代型社会保障への改革」の最大の特徴は、消費税増税とセツトでの実施です。

安倍政権は「新しい経済政策パッケージ」(17年12月)で消費税の使途変更を打ち出し、教育に増税分を使うとしました。しかし、 幼児教育・保育の無償化は部分的で、給食費が対象から外れていたり、大学など高等教育の無償化も低所得者世帯に限定しています。

全世代といいながら一方では負担を強い、一方では所得要件などで対象を狭く限定する。幼保の無償化を進めれば当然、入所を希望する児童数が増えるのに、その対策は不十分です。

増税と同時に行う介護職員の「処遇改善」は、経験・技能のある介護職員、勤続10年以上の介護福祉士に月8万円以上の給料を引き 上げるか、もしくは年収4 40万円以上に改善していくものです。経験の短い介護職員や介護職以外の職員、看護師やケアマネにも事業所の判断で配分できるとしています。

事業所に分断も

全産業平均を視野に入れた改善策は、この間の運動の成果だといえるでしょう。ただ、前の事業所で働いた年数を勤続年数にどう評価するか、どの職員を対象にするかは、事業所の裁量に任すとしており、やり方によっては事業所内に分断が生まれかねません。

さらに、現在の処遇改善 加算を算定していることが要件で、過重な事務負担や 利用料に反映されるなどの問題も放置されています。

そもそも貧困・格差を広げる消費税を、貧困を是正・予防するための社会保障や、資困の連鎖を食い止めるための教育支援に使うこと自体が筋違いです。

少子化問題や介護職員不足の打開を求める国民の要 求を逆手にとって、消費税の増税を国民にのませるやり方は、子どもから現役世代、お年寄りまで、全世代型になっている貧困をもっと深刻にするものです。

財界はもっと消費税を上げろと言っており、いったん10%の税率を許せばさらなる増税が考えられます。増税は絶対にここで阻止しないといけません。

( つづく)

関連記事:https://midori-tomo.at.webry.info/theme/2b49d19d7f.html

"安倍首相が狙う(上) “全世代型社会保障”とは   消費税増税とセット" へのコメントを書く

お名前
ホームページアドレス
コメント