今こそ聞きたいTPP 格差・貧困 助長する 時代遅れのモデル
日本や米国の政府は、環太平洋連携協定(TPP)を「21世紀型」と自賛し、今後のモデルとして世界に押し付けようとしていま す。しかし、TPPは、国境を越えて活動する多国籍大企業の利益に奉仕する従来型の″増強版″です。多国籍企業本位のグローバル化(地球規模化)が貧富や格差を助長することは、今や、国際的な共通認識になりつつあります。
日米など12カ国がTPPに署名する直前の2月2日、国連人権理事会の「民主的で平等な国際秩序の促進」に 関する独立専門家、アルフレツド・デ・サヤス氏が声明を発表し、TPPは人権を尊重しない「時代遅れのモデル」だとして、署名も批准もしないよう訴えました。
人権に 逆流生む
同氏が2015年7月に国連総会へ提出した報告書は、従来の投資協定や自由貿易協定(FTA)が国際秩序にもたらす、人権に反する影響を取り上げ、もうけ中心の市場原理主義に人権が服従させられていると批判しました。特に投資家対国家紛争解決(ISDS)について、万人の福祉を保障する国家の機能を損ない、人権に対する逆流をもたらすと警告しました。同報告は 、国連憲章や、国際機関の活動を通じて国際的に確認された人権基準に基づく代案をめざす「行動計画」も提言しています。
そのほか、人権問題を担当する国連の特別報告者や専門家10人も2015年6月6日、TPP を含む投資協定やFTAについて、人権への否定的影響を懸念する連名の声明を発表しています。声明は、TPPが健康保護、食品の安全、労働基準に関する基準を引き下げ、医薬品独占の権益を企業に与え、知的財産権の保護期間を延長すると 指摘。人権の保護と促進に逆行する影響をもたらすと警告しました。また、極貧問題を深刻化させ、対外債務を軽減する交渉を困難にし、社会的弱者の権利に悪影響するとしました。
民主平等の秩序
国連人権理事会の「食料に対する権利」に関する特別報告者(当時)のジャン・ジグレール氏は2008年1
月の報告書で、新自由主義理論は民営化や貿易自由化が飢餓を根絶すると主張するが、実際はその逆だと指摘しました。その上で、「食料に対する人権は、全国家、全国際機関、多国籍企業を含む全非国家部門が実行しなければならない」と勧告し ました。
米大統領選挙の結果は、一部の大企業と富裕層に富が集中し、格差と貧困が拡大し、山間層が没落するなど米国社会の矛盾と行き詰まりを反映したものとなりました。共和・民主両党候補がともにTPPに否定的だったの も、TPPが雇用を失わせ、貧困と格差を広げることへの強い批判を反映したものでし た。
国際的にも各国でも批判の強い、多国籍企業奉仕の従来型であるTPPではなく、各国の経済主権や食料主権を尊重し、環境や人権に配慮した民主的で平等な国際経済秩序が求められています。
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