【声明2021.04.09】病床削減を推進し医師の長時間労働を容認する医療法等改正案の衆院委での採決に抗議する


2021年4月9日
全日本民主医療機関連合会
会 長   増田 剛


 医療法等改正案が7日の衆院厚生労働委員会において、自民党、公明党、維新の会、国民民主党の賛成多数で可決した。コロナ禍の教訓を一顧だにしない暴挙に、満身の怒りを込めて抗議する。

 今般のコロナ禍は、日本の医療提供体制の脆弱性を国民の目からも明らかにし、同時にこれまでの社会保障費削減政策が、国民の命を危機に陥れるものであることをはっきりさせた。

 しかし、7日に採決された「医療法等改正案」は、医療体制を充実させるどころか、更に弱体化を図るものであり、到底容認することはできない。

 しかも、「地域医療構想」の436の公立・公的病院に対する再編統合については、コロナ禍前に打ち出されたものであるにも関わらず、なんら変更を加えることもなく推し進めようとする姿勢は、コロナ禍の教訓も、長年にわたる社会保障費削減政策への反省も皆無であると言わざるを得ない。さらに、病床削減の財源は全額消費税増税分とされており、「社会保障充実」を名目にした増税分で病床削減を進めるなど言語道断である。

 さらに医療体制の問題では、日本の人口10万人あたりの医師数は、OECD平均と比べて13万人不足している。病床あたりの看護師数は、フランスやドイツの約半分、イギリスの約三分の一、アメリカとの比較では四分の一にも満たない。さらに、自民党・公明党政権のもとで診療報酬が繰り返し引き下げられ、医療機関の経営を逼迫させてきた。

 このようにして、政府が執拗に効率化を押し付けてきた結果、日本の医療現場は、絶えずゆとりのない、張りつめた体制が常態化し、厳しい労働が強いられてきた。とりわけ、医師においては、社会保障費削減政策の一部として医師数が抑制され、労働基準法で定める法定労働時間を大幅に超える労働が強いられてきた。政府は、国民の医師増員を求める声を黙殺し、医師の過酷な労働実態を容認し続けてきた。

 今、政治がやるべきことは、コロナ禍の教訓を明らかにしたうえで、コロナ禍から国民の命を守る要である医療を充実させ、ゆとりのある医療体制を構築することである。

 全日本民医連は、参議院で徹底審議し、廃案を求めるものである。

以上

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