検察人事介入の背景と動機  神戸学院大学 上脇 博之教授に聞く


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安倍政権は東京高検の黒川弘務検事長 (当時)の定年延長のために違法な「解釈変更」で閣議決定を行い、その後付けのために検察庁法改定案まで持ち出しました。黒川氏は賭けマージャンの発覚で辞任しましたが、閣議決定は放置できません。その背景や動機について、神戸学院大学の上脇博之教授に聞きました。
(中野 侃)


安倍晋三首相にはこれまで恣意的な人事による ″成功体験″があります。2013年、内閣法制局長官に集団的自衛権行使積極容認派の小松一郎・元駐仏大使を抜てきし、翌年の閣議で行使違憲論から「合憲」論への「解釈改憲」を強行します。その翌年には戦争法制定を強行しました。2014年には首相官邸が中央省庁の幹部の人事権を掌握する「内閣人事局」を創設しました。森友学園問題や加計疑惑をめぐって文書改ざんなどの付度が生まれた のは内閣人事局創設の ″お陰″です。

〃巻き″を入れた

こうした人事介入の〃成功体験″が、今回の「黒川人事」の根底にあります。

黒川氏は安倍政権に近い人物と目されていますが、それを裏付けるのが森友学園をめぐる公文書改ざん問題です。2018年3月にこの問題が発覚し、私たちは佐川宣寿元理財局長らを公文書変造(同4月18日)、公用文書毀棄(同5月30日)などの容疑で大阪地検特捜部に告発しました。

佐川氏らに対する刑事処分が待たれる一方で、財務省は国会に調査報告書を提出しなければならない状況でした。このとき首相官邸には、刑事責任はないことが確定したもとで甘い行政処分を出したいとの思惑がありました。

そこで官邸は法務省に佐川氏の不起訴処分を早く出せと ″巻き″を入れ検察に介入したのです。同年6月18日、日本共産党の辰巳孝太郎参院議員が暴露した文書には、その刑事処分について「官邸も法務省に何度も巻きを入れている」と明示されています。

その ″巻き″を入れられた法務省の事務次官が黒川氏でした。結果として佐川氏は不起訴になり(同5月31日)、政権にとって「うまくいった」のです。

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重大疑惑が続出

昨年来、安倍晋三首相の「桜を見る会」疑惑、河井克行前法相の公選法違反事件、秋元司元内閣府副大臣のカジノ汚職事件など安倍政権をめぐる重大な疑惑が続出する中、「守護神」の黒川氏を東京高検の検事長に抜てきする十分な動機があったとみるべきではないでしょうか。

すでに黒川氏抜てきの重 大な影響が表れています。

私たちは今年1月14日、「桜を見る会」をめぐり、安倍晋三首相を背任容疑で告発しましたが、東京地検特捜部は黒川氏の定年延長が確定したもとで甘い行政(1月31日)で告発状を受理しないと通知してきました。その理由は「代理人による告発」は受理できないというものでした

「 第2」を生むな

このような理由で告発が受理されなかったのはこれまでに1回もないことです。森友問題や河井前法相・案里参院議員夫妻の公職選挙法違反容疑の時も代理人の弁護士を通じて告発し、受理されました。

3月に反論の意見書を出しましたが、同じ理由で不受理でした。黒川氏の定年延長の弊書がすでに出ていたのです。安倍政権は自己保身のために「守護神」の黒川氏の定年延長を行い、検察庁法も改悪しようとしましたが、厳しい国民の批判で法案は採決強行断念のあと廃案の流れが強まっています。「第2の黒川」を生み出さないためにも、廃案を確実にし、黒川氏定年延長の閣議決定も撤回させることが不可欠です。

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