恥をさらした安倍外交 対米追従 首脳宣言をも侵食
28~;29日に大阪市で開かれた20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)について、 取材した記者が感想を話し合いました。
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G20大阪サミット記者座談会
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A 安倍晋三首相が議長を務めたためにG20サミットの限界と弊害ばかりが目立った観がある。
B 安倍首相は負困や気候変動など世界の課題に正面から向き合わず、市民社会の意見を排除する会議にしてしまった。
C 米中2大国首脳の間を取り持つような演出で「やった感」を出したが、議論の中身はまるで、国民の声を無視する国会運営を外交の舞台に持ち込んだようだったね。
D 世界経済をめぐる議論では、安倍首相が冒頭発言でいきなり「日本は自由貿易の旗手だ」と述べた。しかし 「自由貿易」そのものが今や大問題になっている。米中貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる混乱にも、「自由貿易・投資」体制に基づくグロ ーバル資本主義の矛盾が噴き出している。安倍首相は事の深刻さを全然理解していない。
貧困格差無関心
E 会場に来ていたC20( 市民社会代表)のメンバ ーは 「貧困と格差への取り組みが希薄だ」と感想を述 べていた。議長国の関心がそこになかったからだ。安倍首相は 「自由貿易」が貧困と格差を拡大している実態を知らないのではない か。
D 身勝手に拠点を海外移転し下請け企業を競わせてコストを削減する多国籍企業の自由を確保するのが「自由貿易・投資」体制だ。そのもとで「奴隷労働」や人権侵害、環境破壊がまん延している。
A C20は貿易・投資協定をつくりかえ、人権侵害の搾取労働や環境破壊に基づく低価格商品を排除する仕組みをつくるべきだと提言している。米国の自国優先主義への対案は、多国籍企業の自由と権利を優先する「自由貿易」ではなく、人権と環境を優先する新しい民主的な貿易・投資ルー ルであるべきだ。
C 市民社会の声に耳を傾けない安倍政権の姿勢は政府が設置したメディアセンターの構造にも表れていた。C20のブースをメディアの活動拠点から遠く離れた別棟の片隅に追いやり、その場所には「立入禁止」 の看板も置かれていたよ。取材も一苦労だった。
理念がない宣言
D デジタル経済をめぐる議論がまた、実にお粗末だった。安倍首相は今回のサミットでデータ流通の国際ルールをつくる枠組み「大阪トラック」を立ち上げると息巻いていた。ふたを開けてみると、安倍政権が主導した「大阪宣言」には、どんなルールをつくるかという肝心の理念が何も書かれていない。
A 安倍首相の発言は、自由なデータ流通を促進し経済を成長させるという企業のもうけ話ばかりだった。個人情報の収集と流通によるプライバシー侵害を心配している市民とのかい離が甚だしい。
E 日本政府の記者向け説明会では海外メディアから「大阪トラックの提案者として何をめざすのか」「市民の生活にどんな影響があるか」と再三質問が出た。しかし政府代表は答えられなかった。
パリ協定を軽視
C 極めつけが気候変動対策だ。サミット開幕直前(安倍政権は温室効果ガス削減のためのパリ協定を軽視した首脳宣言案をつくったと報じられた。パリ協定を離脱した米国に配慮したとみられる。
A フランスのマクロン大統領は26日、「パリ協定について議論しないなら、また、G20の間で合意点を見いだすために野心的な気候変動対策目標を維持できないのなら、フランス抜きでやってもらう」と語った。
D 欧州諸国では気候変動対策の前進を求める若者たちの大規模デモが燃え広がっている。市民の運動に関心を払わない安倍政権は世界に恥をさらした。
B G20大阪首脳宣言はパリ協定に触れた一方、米国の立場への言及を前回宣言の4倍に膨らませ、「米国は排出量の削減において世界の指導者である」と賛美した。安倍政権の対米追従外交がG20の首脳宣言まで侵食した。

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