熱中症 命を守る予防策は 積極的にエアコンを 直射日光を遮る
連日、猛烈な暑さが続いています。熱中症 になる人が増えています。命を守るには、どうしたらいいのでしょうか。国立環境研究所 客員研究員の小野雅司さんに聞きました。
( 武田祐 一)
国立環境研究所 客員研究員 小野雅司さんに聞く
―埼玉県熊谷市 では7月23日、国内最高気温を更新する41.1度を記録しましたね。
各地で35度以上の猛暑日となるところも多く、総務省消防庁のまとめで、7月22日までの1週間で2万2647人が熱中症で救急搬送され、うち死者が65人に上りました。実際の被害者はもっと多いと思います。暑さ によって命の危険が迫っています。
― 熱中症はどんな病気?
熱中症は暑さによる健康障害です。脱水症状、めまい、頭痛、吐き気、意識障害、熱けいれんなど、さまざまです。
人の身体は暑い時に汗をかいて皮膚を冷やします。また、皮膚表面の血管の拡張で体内の熱を逃がします。しかし、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、また、体温より高い気温37度以上では体内の熱は逃げていかず、その結果、体内に熱がこもります。汗をかいて体の水分と塩分が足りなくなり、体に熱がたまると熱中症になります。
高齢者に声かけ
―猛暑のもと、自宅での熱中症対策は?
気温が28度以上なら、迷わずエアコンを使うことです。高齢者には、暑さを我慢する人や暑さを感じにくくなっている人もいます。命を守るために大きい温度計を置き、温度をまめに見て、積極的にエアコンを使いましょう。
「エアコンがない」「壊れている」という人は、公共施設や友人宅など涼しい場所に避難することも考えてください。
高齢者には熱中症予防の声掛けが、とくに大事です。地域で声を掛け合い、離れて住んでいても、子や孫、友人から電話をかけましよう。
― 野外活動をするときの注意点は?
仕事でもスポーツでも35度を超えたら、野外活動は中止しましょう。
各地の気温観測点は芝生の上、地上1・5メートルのところで測っています。一般の路面上では、芝生の上より高温 になります。さらに太陽光で照らされる地面や地面に近いところでは輻射熱という太陽光の反射による熱があり、観測点よりもずっと温度が高くなります。40度以上ある場所もあります。
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子どもは身長が低いため、輻射熱によって、さらに熱中症の危険性が高まります。低い姿勢で畑仕事や草むしりなどをする人が熱中症になりやすいのも同じ理由です。
外出のとき、街路樹や建物の日陰を利用しましょう。日傘を使う人が増えてきました。傘の下で気温はあまり変わりませんが、頭を覆い、紫外線や直射日光の熱から守る点では有効です。
日よけ・ すだれ
―住まいの工夫は?
窓の外の日よけやベランダのすだれで直射日光を遮ることが肝心です。室内の温度が高くなるのを防ぐには、カーテンだけでなく、外壁やガラス戸の外側を、すだれなどで覆いましょう。
打ち水は狭い路地や商店街などで朝夕にすると 効果があります。
―熱中症になったら?
重症なら、すぐに救急車を呼び、医療機関にかかることです。軽い場合は、涼 し い 場 所 に 移 動 し、水分、塩分を取り、 体を冷やして休みます。
首筋、わきの下、足の付け根など動脈が通っているところを冷やすとある程度 、効果があります。
―水分の補給は?
汗をかくと、体から水分、塩分が失われ、脱水症状がおきます。熱中症の原因の一つです。汗をかいたら水分、塩分を補給しましょう。手軽なのはスポーツドリンクですが、糖分が多いので気を付けましょう。


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