安倍「働き方」基本法案の狙い 「生産性向上」「多様な就業」 柱に 労働強化 ・低賃金増やす

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安倍内閣が臨時国会に提出をねらう「働き方改革」推進法案で、雇用政策を根本的に変質・転換させる危険性が浮上しています。現在の「雇用対策法」を衣替え・してつくる「労働施策総合推進法」が、それです。重大な問題点をみてみると―。 ◇

「働き方改革」推進法案は、労働基準法など8本の法律を一括して改定するもの。その「働き方改革」の基本法となるのが、「労働施策総合推進法」です。

雇用対策法の名称を改定。法の目的に「労働生産性の向上」を加え、「国の講ずべき措置」として「多様な就業形態の普及」を盛 り込んだのが特徴です。

雇用対策法とは、国の雇用対策にかかわる基本法であり、国の施策の基本方向を示すものです。そのような重要な位置づけにある法律がどうなるのか。

■雇用政策を大転換

労働生産性を向上させるには、労働強化などによって産出物や付加価値を増やすか、あるいは人員削減を行って一人あたりの産出物・付加価値を増やすことになります。労働条件の向上を掲げてきた雇用政策の根本的な転換になります。

また、「多様な就業形態」とは、無権利・低収入が間題となっている個人請負・事業主など「非雇用型」の働き方を含むものです。これを普及していくことにな れば、雇用の安定を掲げる雇用政策の大転換です。

この二つの見直しについ て、労働政策審議会職業安定分科会で 「違和感を覚える」と意見が相次ぎました。これには伏線があります。厚労省に設置された懇談会が昨年8月、「働き方の未来2035」と題した報告書を出しました。技術革新などで働き方の「自立化」「多様化」「流動化」が進むとして、「労働政策や労働法制のあり方を超えて、法制度の再設計を考える必要がある」と提起。「自営的就業者」なども加えて従来の政策を見直すよう求 めました。今回の雇用対策 法改定は、これに応えたも のです。

■際限なく働かせる

この視点で「 働き方改革」 をみると、本質が鮮明にな ります。

「働き方改革」では、「残業の上限規制」といいながら過労死ラインの残業を容認し、残業代ゼロの「高度プロフェッショナル制度の導入」や「裁量労働の拡大」を実施しようとしています。生産性向上へ時間規制を取り払い、際限なく働か せようというねらいです。

また「同一労働同一賃金」の名で正規と非正規の「不合理な格差」は規制するという一方で、「人材活用の仕組み」などによって格差を温存・固定化しようとしています。非正規雇用を増やしながら、さらに働かせることをねらったものとい えます。

これだけ重要な改定が示されたのは、1日の審議会が初めてでした。安倍首相の「働き方改革実行会議」でも議論されたことはありません。これだけ重要な改定を、8本の一括関連法案として審議しようとしていることもきわめて重大で す。

この問題について法政大学の上西充子教授は「労働法制の大幅な規制緩和の方向にすすめていくにあたっての布石である」と指摘。「一括法案を臨時国会に提出するといった直近のぎりぎりのスケジュールの中で、拙速に決めることでは ない」(YAHOO!ニュ ース9月7日)と指摘して います。   

( 深山直人)

YAHOO!ニュ ース9月7日 上西充子教授の記事
静かに行われようとしている雇用対策法の改正―「労働生産性の向上」と「多様な就業形態の普及」―
https://news.yahoo.co.jp/byline/uenishimitsuko/20170907-00075302/



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