こどもの貧困 ひとごとじゃない。 信頼できる おとなとつなぐ 名古屋「子ども&まちネツト」 が白書

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子どもの貧困は「ひとこと」じゃない―。そんな思いを伝え、つながりの輪を広げたいとの願いをこめた『なこや子ども貧困自書』(風媒社)ができました。 ( 堤由紀子)

名古屋「子ども&まちネツト」 が白書

「がんばればできるはず。怠けているから貧乏 なんだ…。いまだにこうした『自己責任論』が幅をきかせている。そこを少しでも変えられれば」白書にかける思いを話すのは、NPO法人「子ども&まちネット」理事長の伊藤一美さんです。

情も根拠も 大事だから

「子ども&まちネット」は「子どもにやさしいまちづくり」をめざし、ネットワークづくりに力を注いできました。おとなに対しては研修やフォーラムを実施し、子どもや若者に向けては社会参画や遊び、自立に向けた多彩な事業をすすめます。

白書づくりのきっかけは、子育て支援者向けに開いた2013年の小規模研修会。講師の一人だった名古屋市立大学名誉教授・藤田榮史さん(労働社会学)の「地元の公立大学として市民に何らかの形で寄与したい」という熱意に押されて研究会をつくり、監修を依頼 します。ちょうど「子どもの貧困」がクローズアップされたころでした。

「人並み以上にがんば ってきた人 ほど、苦しむ 人への目線がきつかったりしてつらい」と伊藤さん。「私たちは子どものつらさを情で訴えてきました。それはとても大事ですが、本にして貧困を裏付ける根拠を示したい
ねと話し合いました」
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貧困に加え 孤立すると

広く手に取ってもらえるよう、平易な言葉でつづり、それを裏付けるデ―夕を添付しました。冒頭は「性教育」。若くして子どもを産むことから困難をかかえると いう貧困の「根っこ」の部分を少しでも減らせたら、との思いからでした。

白書には保育園、児童館、学童保育、学校、ファミリーホームなど子どもに直接かかわる施設のとりみが書かれています。また、若者による夜間パトロール、自治会によるコミュニティーづくり、不登校の親の会などさまざまな形の支援を紹 介しています。

親の会にかかわってきた理事の鬼頭弘子さんは「子どもも親も楽しく元気にやっていればいいけれど、孤立してしまうとすごく困るんです」と、周囲との関係づくりが「貧困」なゆえの深刻さを強調します。

伊藤さんも保健師を訪 ねた時、「ティーンエー ジャーの母たちの広場を開設したのに、参加者が少ない」という話を聞きました。「警察官とか教師とか公的な立場の人に叱られてばかりで、足が向かないんじゃないかな って。信用できるおとなが 一人 でもいれば。それにはどうしたら いいんだろうと話になりました」

 大切なのは、日常的なつながりづくりを支援すること。子ども・若者相談センターのような「ここに相談すれば何とかなる」というワンストップ 相談窓口をつくること。そして「本当の敵」を見誤らないことと鬼頭さん。「目の前の子どものつらい状況に、つい親や教師を責めたくなるかもしれません。でも、そこじゃないんだということもいつも頭に置かなけれ ば、誰も救われません」

子どもの声 聴き出して

理事である奥田陸子さんのライフワークは、子どもの遊ぶ権利のための国際協会(IPA)日本支部での活動です。世界の多くの国では、小さな 子どもにも意見があり、それを聴き出すことが大 事だと考えられている、 といいます。

日本の保育の現状を見るに つけ「うまく言葉にならない小さな子どもの 声を聴き取ることも、貧困対策の柱だと思う」と奥田さん。「子どもにかかわる社会的活動をする 人たちが、白書を通じてちょっと違う分野にもふれて つながれればいいですね」

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タイトル:なごや子ども貧困白書
著  者:子ども&まちネット(編)、藤田榮史(監修)
価  格:¥1,620(税込み)  
出版社 :風媒社
さまざまな現場から見えてきた、子どもたちの届かぬ悲鳴。若者をとりまく生活環境の変化…。貧困はもう、わたしたちの身近な問題。専門家たちが各々の立場で、子どもの貧困の実態及び...v


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