今こそ聞きたいTPP 発行後に中身が変わる。  続く協議・交渉

画像



環太平洋連携協定(TPP)が発効するには、最低でも、署名した12カ国のうち6カ 国以上が批准し、批准 した諸国の国内総生産(GDP)の合計が12カ国合計の85%以上に達していなければなりません。基準となる2013年の統計によると、日本が17.8%を占めており、日本抜きでは、他の11カ国の合計が85%に届かず、TPPは発効しま せん。

仮に発効しても、TPPはそれで終わりではありません¨関税の撤廃 ・削減を前倒し実施したり、取り決めの適用範囲を拡大したりする追加の協議や交渉があります。さらに、外国企業の意見を取り入れて、国内の制度を変更する仕組みもあります。

画像


約束の見直しも

TPPで約束した関税の撤廃 。削減は、行程表に従って実施しなければなりません。原則として関税を引き上げることも、新たな関税を設けることもできません。いずれかの国の求めがあった場合には、関税撤廃を加速するために協議することになっています。

特に日本は、TPP発効後7年目以降、オ ーストラリア、カナダ、チリ、ニュージー ランド、米国のいずれ かが求めた場合、日本の輸入を増やすため、 関税、関税割り当て、セーフガード(緊急輸入制限)などでの日本の約束を見直す協議に応じなければなりません。発効時に一部の農産物に関税が残っていても、関税撤廃を迫られ続けるのです。

関税以外の分野でも、「追加的な交渉」があります。

政府調達は、官公需の発注を外国企業にも開放する取り決めです。現在は、政府官庁、独立行政法人、都道府 県、政令指定都市が対象です。政府は、TPPで現状は変更されないと説明します。しかし、発効後3年以内に、適用範囲を拡大し、発注額の最低基準を引き下げる「追加的な交渉」を行うことになっています。

企業の意見尊重

また、国有企業を民間企業と同等に扱う取り決めでも、発効後5年以内に、適用範囲の拡大について「追加的 な交渉」を行うとして います。

さらに 、閣僚級の「TPP委員会」が設けられ、TPP全体の実施や運用について協議が続きます。そのほか、TPP全30章のうち、16もの章のもとで「小委員会」が設けられて、分野別の協議も行われます。これらの委員会の協議の結果しだいで、TPPの中身が変わっていく懸念が大いにあるのです。

TPPは随所で「利害関係者」の意見を尊重することをうたっています¨「利害関係者」 というものの、その実体は外国企業を含む企業にほかなりません。TPP交渉と同時に行われた日米並行交渉の結果を確認した日米交換公文でも、日本の「規制改革」について、米国の意見や提言を政府の規制改革会議(規制改革推進会議に 衣替え)に付話して、そこからの提言に従って必要な措置をとると約束しています。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック