今こそ聞きたい TPP  ISDS条項(上) 外国企業が政府を提訴

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環太平洋連携協定( TPP)には、多国籍企業が投資先の政府を国際的な仲裁機関(裁判所)に訴えることができる仕組みが盛 り込まれています。投資家対国家紛争解決(ISDS)条項です。訴えを起こせるのは企業だけです。裁判で問われるのは、政府が企業の利益を侵害しなかったかどうかです。仲裁法廷が設置されるのは国外です。徹底して、多国籍企業の利益をはかる仕組みです。

原発・最賃も標的

― スウ ェーデ ンの電力会社 バッテンフォールが 、ドイツ政府による原発ゼロの決定によって損害を受けたとして、同政府をエネ ルギー憲章条約違反として投資紛争解決国 際センター(ICSID)に 提訴 。47億 ユーロ(約5400億円)の賠償請求。係争中。

―エジプト政府が最低賃金を引き上げたことに対し、フランスの水道会社ベオリアが契約違反、両国投資協定
違反としてICSID に提訴。係争中。

―メキシコで地方自治体が廃棄物処理場建設を不許可としたことに対し、米国のメタルクラッド社が北米自由
貿易協定(NAFTA)違反としてICSIDに提訴。2000年8月に1670万ドル(約17億円)の賠償をメキシコ政府に命じる 判決。

いずれもISDS条項にのっとった国際的な裁判です。原発、最低賃金、環境といつた国民の生命、暮らし、
安全を守るために政府のとった政策が、多国籍企業の利益を侵害したとされ、巨額の賠償を求められています。

米国企業が乱発

ISDS条項を使って世界中で裁判を乱発しているのが米国企業です。国連貿易開発会議(UNCTAD)の 集計によると、これまでのISDS裁判のうち、米国企業が起こしたものが145件で最多。2位のオランダ企
業(89件) 、3位の英国企業(64件)を大きく引き離しています。

訴えられた国は、ア ルゼンチンが59件でトップです。同国が経済危機に陥った際にとった政策変更が、多国籍企業の利益を侵害したとして訴訟の標的にされました。訴えられた件数が多い国を見ると、経済危機への対応や政権交代で政策が変わ った南米や東欧諸 国。さらに、米国中心のNAFTAに加盟しているカナダとメキシコ、などです。

TPPもNAFTA 同様、米国を中心とする協定です。TPPのISDS条項は、米国企業が日本を含む各国政府に自らの利益をごり押しする仕組みを提供します。
( この項つづく)

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