だから安保はいらない (8)アメリカに操られる日本経済

画像



食料自給率は39%に低下

 日米安保条約は軍事同盟にとどまりません。第二条に「締約国はその国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め、また、両国の間の経済的協力を促進する」とあります。この経済協力の名目で、国民生活のあらゆる分野が米国の支配下に置かれています。

 「安保条約第二条の目的を達成する」との日米合意で、一九六一年に「日米貿易経済合同委員会」が発足。同委員会は七〇年代以降、麦や大豆、オレンジ、牛肉、米など農産物に対して次々と“自由化”の圧力をかけ、日本の農業は大打撃を受けました。食料自給率はいまや、先進国最低の三九%に落ち込んでいます(図)。

 九〇年代に入ると、米国は“規制緩和”を押しつけます。毎年、日本政府に対して「年次改革要望書」(日本における規制緩和と行政改革に関する日本政府に対する米国政府の要望書)を提出。雇用・医療・保険・金融・郵政・電気通信・エネルギーなど、あらゆる分野で構造改革を要求しました。

 医療分野でも、九〇年代から本格的に医薬品や医療機器、医療保険の市場開放を求めてきました。日本は医療機器を輸入する際、たとえば心臓ペースメーカーでは米国価格の三・五~四・六倍と高い値段で買わされ、そのうえで保険を適用しています。米国は混合診療の全面解禁など、公的保険制度の形骸化と国民皆保険制度の解体も狙っています。

郵政民営化の背景

 二〇〇五年の総選挙で“郵政民営化”を掲げた小泉首相が大勝しましたが、背景には郵政事業に進出したい米国企業の狙いがあり、その圧力に屈したのです。民営化された日本郵政と米国の保険会社アフラックは、提携してがん保険を販売しています。テレビCMで皆さんもご存じでしょう。

 また、民医連共済など労働者が自主的に運営する共済制度も、米国の経済活動にとって邪魔だと日本政府に圧力をかけて制度を規制し、さらに、潰そうとしています。安倍政権が強引に交渉をまとめようとしているTPP(関税の全面撤廃条約)も、背景に安保条約があります。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック