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zoom RSS ASEAN 50年 平和共同体の展望  成果安住せず将来形成を

<<   作成日時 : 2017/07/23 14:40   >>

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インドネシア前外相マ ルティ・ナタレガワさん

1963年、西ジャワ州バンドン生まれ。国際関係学博士。外務省ASEAN総局長、英国大使、国連代表部常駐代表を経て2009年10月〜14年10月、外務大臣。日米中など18カ国が武力の不行使や紛争の平和解決などを約束した東アジアサミット「バリ原則」宣言(11年)の採択などを推進。12年のASEAN外相共同声明の採択失敗後には「シャトル外交」を展開し、「南シナ海ASEAN6原則」をとりまとめる。在任中にインド太平洋友好協力条約構想を提唱


東南アジア諸国連合 (ASEAN)は8月8日に創設50周年を迎えます。東南 アジアを平和と協力の地域
に変 え た A S E A Nは い ま、東アジアでも、大国中心に代わる新しい地域構造づくりを主導します。その道のりに携わ ってきた人々の視点をインタビュー・シリーズで紹介します。第1回はインドネシアのマルティ・ナタレガワ前外相です。

私たちはこの数十年、中東など世界のさまざまな地域で、いかに国内問題が内戦となり、地域紛争となり、地球
規模の紛争となるかを目にしてきました。

東南アジアでもこの間、ミャンマーの民主化など大きな変化がありましたが、すべては平和裏に進められました。
国際政治上の変動は起きませんでした。

私たちには地域的な話し合い―ASEANの話し合いがあったからです。完璧でもワクワクするようなものでも ない。しかし少なくとも問題に対する手当てがありました。

ASEANは平和の文化を発展させてきました。大小異なる非常に多様な国々ですが、年月をかけて相互尊重の 精神を形成し、実践してきま した。

1967年のバンコク(ASEAN設立)宣言とその後のASEAN憲章などをみれば、武力紛争防止、主権擁護相互尊重などの願いと重要目標がASEANにあることを見て取れます。後には良き統治や人権の理念も盛り込まれ、理想は時間を経て進化してきました。

ASEANが50年間機能し、地域に重要な貢献をしたことに疑いはありません。値段のつけられない貴重なも のです。しかし重要なのは、成果に安住せず、次の数十年の挑戦課題を考えることです。

私たちの主たる挑戦は、高い意識を持つことでした。目標を高く持ち、変革の力を持ち続けること。ASEANは常に 一歩先を行き、受け身でなく自ら将来を形成していく必要があります。

三つの貢献 三つの前進

ASEAN5 0周年は過去 を振り返る機会であるとと もに、ASEANの次の5 0 年を考える重要な機会で す。

諸国間関係変える

ASEANは50年間で少なくとも三つの貢献をしました。

第一は、東南アジアの諸国間関係を変えました。1967年、また1970年代、東南アジア諸国間の関係は混沌としていました。国家間には武力紛争や不信感がありました。

50年のASEANの存在は、東南アジアの国家間関係の力学をゆっくりと、根本的に変化させました。現
在も領有権紛争など克服すべき問題はありますが、全体として、東南アジアはいま平和の文化の下で暮らしています。国家間の関係で武力を用いないことを誓約した1976年の東南アジア友好協力条約(TAC)などの合意が、この変化にとって非常に重要でした。

第二には、より広い地域、域外諸国との関係の性格を変えてきたことです。70〜80年代まで、東南アジア諸国は大国政治の ″駒“でした。地域は分断され、東西冷戦の力学のなかで互いに衝突しあう国々にされました。

しかし、ASEANは東南アジアの立場を変えました。ASEANが中心的役割を担い、運転席に座り、地域構造を形成するようになりました。私たちはもはや大国政治のターゲットで はなく、地域のルールは私たちが定 めています。

第三は、東南アジアの人々の暮らしを変えてきたことです。50年前 、この地域の経済は貧困がまん延し危機的な状態でした。しかし今、東南アジア経済は世界的な経済発展の主要な原動力の一つとなっています。

3点は、変化をもたらした貢献であり、重要な成果です。しかし、明日の試練は、今日の挑戦課題とは異なります。挑戦課題は将来にわたり多数あります。

改革続け一 段上ヘ

ASEANは次の50年、 成果と同じ三つの角度での前進を、確実にやっていく必要があります。

第一に、 ASEANはこれまで築いてきた安全保障共同体と平和の文化の制度に自信を持ち、力を与えることです。ASEANは数多くの機構や制度を持ち、可能性を有していますが、これらは発動されていません。例えば、TACの理事会(紛争解決の調停などの機能がある)がそうです。 制度に力をつけ、機能させることが必要です。

第二に、ASEANはアイデアを提示すべきです。アイデアなしに中心的、指導的役割は果たせません。 運転席 に座るのであれば、どこかへ向けて運転しなければなりません。私は在任中、インド太平洋友好協力条約構想(広域版TAC構想)を打ち出しました。不完全でもよ い。イニシャチプブを打ち出してほしい。

第三は、暮らしです。ASEANは普通の人々の生活と密接な存在にならなければなりません。「人間中心のASEAN」を、表明するだけでなく実績で証明することが必要です。

ASEANは改革する機構であり続けることで最も成功します。数多くの行動計画を持っていますが、これを続けるだけでなく、 一段上へ高める努力が常に必要です。

ASEANの経験、域外へ

平和を促進するためには、危機や脅威がどこから来るかを知らなければなりません。私たちの地域には、二つのタイプの危機があります。
一つは、不注意による衝突です。だれも意図せずに、海洋紛争や船舶の衝突などの小さな事件が急速に武力衝突にまで発展してしまう。この危険には、見込み違いや誤解を避けるための危機管理のメカニズムが必要です。

「信頼の負債」対処

この点で私たちは東アジアサミット(EAS)を活 用できます。残念ながら現在は年1回の会議にとどまっていますが、EASはすでに地域のすべての主要国を集めています。例えば、EASのなかに大使級の平和・安全保障協議会をつくり、2週間に1回集まって地域・世界情勢を協議すべきです。

新しく発生する危機への対処を考え、話し合う習慣を始めることが重要です。より重大なのは、 「信頼の負債」 (国家間の信頼不足)の問題です。

ASEANは東南アジアだけを考えているわけにはいきません。私たちは域外にASEANの経験を広げ、平和のエリアを広げな ければなりません。北東アジアやインド太平洋の出来事に目をつむっては、私たち自身の平和を持続できないからです。

私が外相在任中に、インド太平洋友好協力条約構想を推進したのはこのためです。各国間には領有権紛争や敵対感情、多くの問題がある。しかし何があろうと、すべて外交手段で解決する。軍事的選択肢はとらない。武力の行使と威嚇を取り除く。そうはっきりと述べ、条約で定めることで「信頼の負債」に対処していくことができます。

バリ原則を条約に

東南アジアにはかって大きな不信と敵対感情、武力紛争が存在していました。しかしTACが1976年に導入され、国家間の関係は徐々に改善されました。

EASは武力 の不行使と紛争の平和的解決を含む「バリ原則」を採択しています(2011年)。 ASEANがこれを高いレベル、法的拘束力あるものに進化させることを期待しています。東南アジアがTACで得たような緊張緩和と安定化の効果を、より広い地域で得られるでしょう。

バリ原則が条約になれば、非ASEAN諸国も武力の不行使を相互に誓約することになります。インドや中国、日本などが「われわれは平和的手段で問題を解決できる」と声明することを想像してみてください。大きな効果があるでしょう。

これはASEANが次の50年にできる、変革的な貢献だと私は構想しています。ASEANは、年1度の会議で見解を表明するだけの機構であってはいけません。対応するだけでなく、形成しなければなりません。

武力衝突は常に生命の損失、悲劇と人道危機をもたらします。21世紀、ASEAN50周年を記念するときに、私たちはより賢明になり、東アジア地域ではもう武力紛争は起きないということを確実にしなければなりません。
( ジ ャカルタ=丼上歩)

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世界の構造変化で先駆的な役割 (取材を終えて)
ASEANを取材、探求して10年。マルティ前外相は最も取材したかった1人でした。インド太平洋友好協力条約構想は、″地域の秩序づくりはASEANが主導する。大国に主導権 を渡さない〃との決意を記者にも深く 印象づけた大胆な提案でした。

大国がほしいままにする世界から、 戦後独立した諸国が国際秩序づくりに 参加し、動かすように―。世界の大きな構造変化のなかで、ASEANは先駆的な役割を果たしています。マルティ氏は、そこには常に、多大な知恵と努力が求められるのだとのメッセージを、一貫して伝えています。



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