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zoom RSS 共謀罪と治安維持法(歴史の教訓) (荻野 富士夫)

<<   作成日時 : 2017/03/14 07:09   >>

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恣意的に運用が拡大される  重なる「国体」観念と「テロ等」 防止

団体や集団が「犯罪」について話しあい「合意」することを罪として処罰しよ うとする点で、国会上程を
控えた「共課罪法案」は「現代の治安維持法」といわれる。そもそも治安維持法とは何だったのか。

社会運動を抑え戦争の 障害封殺

治安維持法は1925年に制定され、45年に廃止さ れるまでの20年間に、社会変革の運動を抑え込み、戦争遂行の障害とみなしたものをほぼ完璧に封殺した。 植民地の朝鮮において、さらにかいらい国家「満洲国」において、より厳重に過酷に運用された。国内においては警察の統計上の検挙者は7万人弱におよび、約1割が検察に送られ、公判で有罪となった。同時に警察署限りの訓戒・釈放などが、統計外の数倍以上にのぼると推測される。検挙の事実だけで大学や会社からの追放、「非国民」との社会的指弾と疎外を受けた。

19251年の議会審議において若槻礼次郎内相は処罰を「国体」変革や「私有財産制度」否認の目的に絞ったとして、「健全な無産運動」を対象としないと説明し、法案成立にこぎつけた。むしろ同議会の「ずっと其予備の叉予備のようなものまでも処罰しようとする」という小川平吉法相の本音の吐露が、その後の拡張につぐ拡張の運用実態を予告した。

1928年の三・一五事件を機とした緊急勅令による「改正」が、二つの意味において治安維持法拡張のテコとなった。「国体」変革の結社行為の最高刑を懲役10年から死刑に引き上げ ることにより、その重大性を強調・威嚇するだけでなく、「国体」に歯向かう「不遅の輩(ふていのやから)」という道徳的な訓戒も盛り込まれた。「天皇の警察」を自負する特高警察を、小林多喜二の死に象徴される拷問致死にかきたてたのも、この「国体」観念であった。それは「共謀罪法案」が「テロ等」防止を口実に罪にすることに相当する。

「抗弁する態度」一掃まですすむ

また、「目的遂行罪」の導入は、量(共産党やコミンテルン(共産主義運動の国際組織)についての認識さえあれば、文化運動や研究活動でも「究極」において「国体」変革に関わるものとして検挙することを可能とす
る「打ち出の小づち」となった。対米英開戦を控えた1941年3月の三度目の「改正」は、拡張解釈の限界に達した条文を運用の実態にあわせるという転倒ぶりであった。


アジア太平洋戦争下の最大の弾圧である「横浜事件」、新興の自由俳句を弾圧した「京大俳句事件」、生活に根ざした教育を追求する教師たちを弾圧した生活つづり方・図画事件などは、「目的遂行罪」を活用した治安維持法の到達点であるが、それらは戦時下の「思想洗浄」を意図していた。戦争への違和感や厭戦(えんせい)的気分などの抵抗する姿勢・態度そのものが危険視され、予防的な措置として、いずれもフレーム・アップされた。

ひとたび取り締まり当局が治安法を手にすると、その運用は恣意的に拡張され、「抗弁する態度」の一掃までとどまることを知らないことを、治安維持法の歴史は雄弁に物語る。

おぎの。 ふじお 1953 年生まれ。小樽商科大学 特任教授。著書に『特高 警察』 『北洋漁業と海軍』 ほか


氏名:荻野富士夫 (オギノフジオ)
略歴:1953年生まれ。小樽商科大学商学部教授。主な著書『昭和天皇と治安体制』『治安維持法関係資料集』『北の特高警察』『思想検事』『横浜事件と治安維持法』など。

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